レコーディング入門:コンプレッサー(エフェクター)の使い方
レコーディングにも演奏時の音作りにも大活躍のコンプレッサー(リミッター)。
普段は適当につまみをまわして、「まぁこんなもんかな?これって意味あるの?」的な使い方をしている人は小なりともいると思います。
実際自分がそうでした・・・。
改めて使い方を見直しながら解説していこうと思います。
■Threshold(スレッショルド)
これは、入力信号がどのレベルまできたら抑えるかを決めます。
大きな音を潰して小さくする為のもっとも重要な設定値です。
図でいうと、入力された信号が加工されずに出力されるのはスレッショルドのレベルまでです。
■Ratio(レシオ)
図を元に解説します。
Ratioの設定 1:1はコンプレッサーがかかっていない状態を表します(入力の信号レベルのまま出力します。)
Ratioの設定 1:∞はスレッショルドを超えた信号を全てスレッショルドのレベルまで潰しています。パンパンにかかった状態です。(ちなみにこの状態がリミッターと同等です)
Ratioの設定1:xは1:1縲鰀1:∞の間でどの角度にするかを決めます。
1:∞は音のレベルがスレッショルドレベルを境に少し超えたものは少し潰し、大きく越えたものは大きく潰す。超えた分だけ有無を言わさず潰します。
これでは自然に聞こえません。なので、レシオで潰し具合を調節します。
1:xではスレッショルドレベルを超える信号がきた段階で、徐々に音を潰すことで自然に聞こえるようにします。
ズバリ、この「スレッショルドレベルを超えてからどうやって音を抑えていくか!?」を決めるのがRatioの役割です。
■AttackTime(アタックタイム)
スレッショルドレベルを超えた!と機器が認識してから実際に圧縮作業に入るまでの「時間差」を調節します。
アタックタイムを早くすると、大きな信号が来たときに即座に音を潰します。逆にアタックタイムを遅くすると
大きな信号がきても、しばらくはスルーしてあるタイミングで音を潰します。
これらはどういったときに効果があるかというと、例えば、打楽器です。打楽器は一瞬のレベルが非常に大きいです。
コンプレッサーをまったくかけないとアタック感のみの音になってしまいます。これにコンプレッサーをかけると、アタック感が失われてしまう事もあります。
入ってきた大きな信号を少しの間無視して、途中から音を抑える事で、ほどよいアタック感と、胴の鳴りを得ることができるという事です。
ギター等で言うと、アタックタイムを遅らせる事で微妙なピッキングニュアンスが得られます。
■ReleaseTime(リリースタイム)
リリースタイムはコンプレッサーとしての仕事終了時刻を表します。スレッショルドレベルを超えたらお仕事スタート!
アタックタイムの時間を待ってレシオに従い音を抑えていきます。そして、音のレベルがスレッショルドを下回ったらお仕事終了。
音のレベルがスレッショルドを下回ったら即終了するのか、下回っても圧縮し続けて、頃合みて終了するのかを決めます。
リリースタイムを早くしたばあい、下回ったら即終了します。逆に遅くした場合は、スレッショルドレベルを下回っても圧縮し続けます。
リリースタイムを遅くしすぎた場合、小さいレベルになっても圧縮するわけですので、「大きい音を小さく、小さい音を小さく」となりかねません。
リリースタイムには逆効果になる要素があるので注意が必要です。
■Gain(ゲイン)
スレッショルド、レシオ、アタックタイム、リリースタイムまでで、大きな音を小さくするだけの仕事です。
音量というのは当然下がります。これを増幅することで、大きな音は小さく、小さな音は大きくという二つの役割がなりたります。
最終的なレベル調整です。
レコーディングには必須といって良いほどコンプレッサー、リミッターを使いますので、良く覚えておきましょう。
レコーディング入門:ダイナミクス系エフェクターの効果 |
レコーディング入門編 |
レコーディング入門:マイクスタンドの使い方 |