レコーディング入門:ラフミックスをする
■ミックスダウン前に・・・
ミックスダウンにはヘッドフォン、スピーカーを使って行う場合が多いです。
両方にいえることですが、リスニング用のヘッドフォン、スピーカーは「聞いていて楽しいように」音に味付けがされています。
ミックスダウンは音質や音量、定位等のバランスを調整する事が目的です。なので、余計な味付けはかえって邪魔になります。
モニター用のスピーカー、ヘッドフォンを使うことをオススメします。
上記の理由から、モニタースピーカー、ヘッドフォンは聞いていてとっても味気のない音です。リスニングに使用するには決して良い音といえないと思います。
しかし、音が良く見えて、粗が良く分かります。
SONY / MDR-CD900ST 業界標準のヘッドフォンで有名 |
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YAMAHA / MSP3 モニタースピーカーとして人気のもの。業界定番といえばYAMAHAの10Mだったが、生産終了となったが、代替としても活躍中。 |
■いよいよミックスダウン
一通り録音が終わったらミックスダウンの作業に入ります。ミックスダウンとは、録音したそれぞれのトラックをミックスして、最終的に2トラックのステレオに落とし込むことを言います。
ミックスダウンを本格的にする前に、大事な作業があります。それは「ミックスダウン前の雑なミックス」。これをラフミックスといいます。
ラフミックスの目的は「大体こんなイメージかな縲怐H」というのを固めるために、暫定的に音量、音質の調整を行う事です。
いきなり細かく音を作りこんでいくと、いざ、全ミックスしたときに「なんかしっくりこない」という感じになりやすく微調整しているうちに泥沼にはまっていって結局どんな音を作りたかったのかわからなくなってしまいます。
料理をしているときに調味料を少々加え、「たりないな」と徐々に加えていっているうちに、舌が慣れてしまい最終的に濃い味の料理になってしまうのと少し似ている気がします。
ラフミックスの目的は、「全体の仕上がりイメージを大雑把に形にする」です。
やる事は大まかに
・波形調整!(音圧アップの下準備)
・音圧アップ!(コンプレッサー/リミッター)
・音質調整!(イコライザー)
・音の調和!(リバーブ)
・音量調整!(ボリューム)
このあたりです。
まずは時間をかけずに大まかにMIXしてみてください。
※ポイント
人の耳はかなりいいかげんで、良い音の基準もその時々で違います。
10縲鰀20分程度とあまり時間をかけずに数パターン本気でMIXダウンして聞き比べてみましょう。けっこう違うと思います。
ラフミックスのポイントとして「基準となるMIXを作る」も心得て作業を進めましょう。
タバコをすうなり一休憩置いて、客観的に自分のMIXした音を聞いたときに
「この辺は自分が目標としている音に近いMIXだな!」
とおもったらラフミックスの成果有りです。
ハマっていった時にいつでも聞けるように、作業をやり直したいときにいつでも戻れるようにきちんと別にデータを保存しておきましょう。
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