レコーディング入門:リバーブのパラメータと使い方
リバーブは残響を調整するエフェクターで、カラオケのエコーなんかが一番イメージしやすい効果です。
(実際には残響のみなので、エコーのようにこだましません)
カラオケのエコーはツマミ一つで簡単調節ですが、このサイトに着て下さる方は、ギタリストや作曲、録音に興味がある方だと思いますので少し詳しく解説していきます。しっかり理解して適切に設定ができるようになりましょう!!
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / M350
を例に説明していきます。
(この機材は評判も良く、シンプルな設定の為例に挙げさせていただきました。)
まずは各パラメータの説明から。
IMPUT GAIN
入力信号の調整。要するに感度調節です。
MIX RATIO
原音に対してどれぐらいリバーブをかけるかを調整する。
EFFECT BAL
ディレイやコーラスなどエフェクトのかけ具合を調整するつまみです。リバーブとは関係ないところなので、EFFECT関係の説明は省きます。
AMBIENCE
ルームサイズや材質などのタイプを選択するつまみ。よくあるサイズとしてはホール(広い空間)やルーム(狭い空間)などがあります。
また、壁の材質によっても残響音は変わってくるので材質をシミュレートした設定もあったりします。
PRE DELAY
残響が始まるまでの時間です。
通常は、音が鳴って、壁に当たって跳ね返えった音が更に壁に当たって跳ね返って・・・と順序があります。これは最初に壁に当たるまでの時間ですね。
DECAY TIME
残響が消えるまでの時間です。最初に音が跳ね返った時から色々反射を繰り返し、最終的に消えてなくなるまでの時間です。
COLOR FILTER
謎・・・機材特有の機能っぽい。
この例を見ても分かるとおり、リバーブの主なパラメータは
・ルームサイズや材質
・プリディレイ
・ディケイタイム
・MIX
あたりです。細かい設定が可能なエフェクターはいろいろありますが、名称は違えど、ほぼどの機材にも共通したパラメータがあるでしょう。
ここからは使い方の例です。参考まで。
■ルームサイズの設定
ホール設定など広いと音の輪郭ぼやけてしまいますので、最初は小さいサイズから設定したほうが良いでしょう。
■プリディレイ
リバーブがかかり始めるまでの設定ですが、あまり短くしてしまうと音の輪郭がぼやけてしまうので、
少し長めから徐々に短くしていくと良いです。
■ディケイタイム
残響の長さなので、これは好みの長さに設定する。あまり長くするといつまでも響いているので、これは短い時間から徐々に増やしていくと良いです。
■MIX
DRY側にすると原音しかでなくなるので意味を成さない、WET側にすると残響のみ響いて原音が聞こえなくなる。これを程よい場所にMIXするという意識で好みのポイントを探りましょう。
DAWの場合はトラックそれぞれに、個別にリバーブを設定できパラメータを分けることができます。
当然細かな設定が可能なのですが、全体をMIXする上で収集つかなくなりやすいです。
その場合、リバーブ用のトラックを作成しFXで送る方法にすると、とてもやりやすいです。
・各トラックからはSEND LEVELを設定することでリバーブの深みを調節。
・リバーブ用トラックではリバーブの細かな設定を調節。
役割を分担させて簡素化することになりますのでMIXがしやすくなります。
全体的にリバーブを調整したいときにも、リバーブ用トラックをいじるだけですみます。
これを応用すると、複数種類のリバーブ用トラックを作成して、トラック側では
原音に適したリバーブにSENDするということもできます。
これらの情報を知った上で作業をするのと知らないで作業するのでは
かなり違うと思いますので、自分にあった使い方を模索していきましょう。
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